大判例

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東京高等裁判所 昭和32年(ネ)2137号 判決

証拠を綜合すれば、被控訴人主張の事実を全部認めることができる。

しかしながら、昭和三十年六月一日締結された準消費貸借は、被控訴人が昭和二十九年十二月末頃控訴人に貸し渡した金十五万円に右貸渡の日から昭和三十二年五月三十一日までの利息を金二万円と協定してこれを加えて元金を金十七万円としたものであつて、このように、当初利息の定めのなかつた貸金に対し後日利息を附することとし、その額を協定してこれを元金に加え、これを準消費貸借の基本債務とすることは、当事者の合意に基いてなされる限り適法且つ有効であるけれども、その利息は必ず利息制限法所定の利率により計算した額を超えないことを要すべく、これを超えるときは、たといそれが当事者の合意に基くものであつたとしても、その部分は無効であり、その部分に関する準消費貸借は効力を生じないものと解するのを相当とする。

ところで本件において金十五万円の貸渡の日は単に昭和二十九年十二月末頃とあるのみでその日を詳かにしないので、便宜昭和三十年一月一日から起算することとし、同日から同年五月三十一日までの利息制限法所定の最高利率たる年一割八分によつて計算した右金十五万円に対する利息の額は金一万千二百五十円であることは算数上明らかであるから、本件準消費貸借は元金十五万円に右利息金を加えた金十六万一千二百五十円の限度において有効に成立し、これを超過した部分は無効であるといわなければならない。あるいは右協定にかかる金二万円のうちには利息のほかの費用を含んでいるかも知れないのであるが、右費用を含んでいることならびにその額が幾何であるかは被控訴人のすこしも主張立証しないところであるから、裁判所としてはこれを斟酌することはできない。

よつて被控訴人の請求も右の限度においては正当として認容すべきであるが、被控訴人の請求を全部認容した原判決は一部符合しないところがあるとしてこれを右の限度に変更した。

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